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【男性向け】性風俗店での性病感染リスクはどのくらい?予防方法は?
“風俗嬢は定期的に検査をしているはずだから大丈夫”
“本番行為はしないから大丈夫”
なんて思っている方はいませんか?
風俗店のタイプにもよりますが、やはり性病感染リスクは高く、遊ぶ際には注意が必要です。
今回は、風俗店での性病リスクと、遊ぶ際の注意点について解説致します。
1.風俗業界の性病事情について
風俗嬢の性病検査の実態についてですが、しっかりした店舗であれば、定期的な検査を店舗単位で実施している所が多いです。しかし一方で、検査を実施していない店舗もあるのが実態です。
しかも、定期的に検査を実施していても、検査後に感染していることもあります。風俗嬢は月に何十人ものお客を相手にしている場合もあり、月に1回程度の検査では、検査後に感染していることも十分に考えられます。
さらに、性病に感染してから一定期間は検査をしても陽性反応がでないため(ウィドウピリオドといいます)、頻繁に性病への感染機会のある風俗嬢は、たとえ検査で陰性だったとしても絶対大丈夫とは言い切れません。
特に近年は、SNS等の普及により風俗業で働くハードルが下がっているため、バイト感覚で手を出す学生が増えてきているのが現状です。すると、お店のサポートを受けていない、性病に関する十分な知識のない人が、性病を持ったまま営業をしていることも十分にありえます。
2.風俗で遊ぶ時に気を付けるべきことは?
では、風俗で遊ぶ際に性病にかからないようにするために、どんなことに気を付けるべきでしょうか。
(1)出来るだけコンドームを着用しましょう
コンドームを着用すると性行為が楽しめない、感度が下がる、萎える、などの理由からコンドームを着けたがらない方も多いかと思いますが、やはり性病はお互いの粘膜が触れ合うことで感染するので、できるだけ接触を避けることが感染リスクを大きく下げることになります。
フェラチオも、口と性器の接触ですので、性病の感染は起こります。挿入時だけでなく、フェラチオ等の行為の際もできれば装着しましょう。
(2)性病の予防薬を内服して予防対策をしましょう
性病(梅毒・クラミジア・淋病)は予防ができます。ドキシPEP(ドキシペップ)といわれる予防法で、性行為の72時間以内にお薬を2錠内服するだけで、高確率で梅毒・クラミジア・淋病の感染率を下げる予防方法です。
また、HIVに関してもPrEP(プレップ)という予防方法があります。性行為の前にお薬を服用することで、正しく飲めば感染を99%予防することができます。
(3)性行為の後は検査を受けましょう
風俗で遊んだ後は、症状の有無にかかわらず、必ず性病検査を受けるようにしましょう。
なお、性病の多くは感染後も症状が出ない期間(潜伏期間)があり、その間もパートナーに性病を感染させる可能性があるため、検査で陰性が確認できるまでは性行為を控えましょう。
性病は、症状がほとんど出なかったり、まったく出ない場合もあるため、検査をしないと感染しているかどうか分かりません。症状がなくても、感染していれば他人にうつす可能性があるため、知らず知らずのうちにパートナーに感染させてしまう恐れがあります。
風俗で遊ぶことが多い方は、検査の3回セットであればお得に受けることができるのでおすすめです。検査のタイミングはご自身で決めることができます。
【注意】検査が可能になるまで時間が必要です
検査を受けるタイミングですが、性行為の後、検査が受けられるようになるまで少し時間がかかる点に注意が必要です。病原体に感染していても、その病気の検査値が検査で検出可能な限界を下回る期間(ウィンドウ・ピリオドといいます)に検査を受けると、正確な検査結果が得られない恐れがあるためです。
例えば、非常に感染者の多い性病である「淋菌」と「クラミジア」は、セックスから24時間が経過していれば大丈夫ですが、「梅毒」や「HIV」の即日検査はセックスから4週間以上経過している必要があります。
パートナーがいる等の理由で、できるだけ早く検査を受けたい場合は、翌日以降に淋菌とクラミジアを受け、梅毒やHIVの検査は4週間経過後に受けるとよいでしょう。
性病は基本的に性行為以外では感染しないので、すぐにセックスの予定のない場合は、4週間経過後に性病検査をまとめて受けてもよいでしょう。
検査をセットで受けることで、よりお得に検査を受けることができます。
もちろん、検査で陰性が確認できるまではセックスを控えましょう。
【注意】「のど」や「肛門」の検査も受けましょう
性病が感染するのは性器(ペニス)だけではありません。
ディープキスやクンニ等の行為によって、「のど」に感染することもあります。また、肛門性交等によって「肛門」に感染することもあります。
そのため、性器以外の部位についても、症状の有無にかかわらず検査を受けることがおすすめです。
(3)ワクチン接種や予防薬の服用も検討しましょう
次の性病等については、事前にワクチンを接種することで抗体が獲得でき、予防効果があります。
A型肝炎ワクチン:オーラルセックスや肛門を舐める行為(ケツナメ、リミング)により感染します。
B型肝炎ワクチン:性行為全般で感染します(膣性交のほか、ディープキスやオーラルセックスを含む)
HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチン:性行為全般で感染します。陰茎がんや肛門がん等の原因となります。
淋病予防ワクチン:淋病の感染率を下げるワクチンです。
3.行為(風俗タイプ)ごとの性病リスクは?
性風俗店と一言でいっても、様々な種類のお店がありますよね。どんな店舗でどのくらいの性病感染リスクがあるのでしょうか。
それは、どのようなプレイがされるかによって変わってきます。
自慰行為のみ(オナクラなど)
自慰行為のみであれば、粘膜同士の接触がないため、基本的には性病感染リスクはありません。
手コキ(性感エステなど)
粘膜同士の接触がないため、性病への感染リスクは低いです。
ただし、フェラ等の行為があった場合、口から性器への性病感染リスクがあるため、注意が必要です。
キス(セクキャバなど)
キス等の行為がある場合、口から口への感染リスクがあります。なお、ディープキスの場合はリスクは高まります。
注意すべき性病
・咽頭クラミジア
・咽頭淋病
・梅毒
・ヘルペス など
フェラチオ(ピンサロ、ホテヘルなど)
フェラチオ等の行為がある場合、口から性器への感染リスクがあります。本番行為をしていなくても、しっかりとコンドームを着用するようにしましょう。
注意すべき性病
・性器クラミジア
・性器淋病
・梅毒 など
素股(スマタ)(ファッションヘルス、デリヘルなど)
本番行為ではなくスマタだけでも、粘膜の直接接触による性病感染リスクがあります。HIV等への感染リスクは低いと言えますが、ゼロではありませんので、やはりコンドームは必ず着用しましょう。
注意すべき性病
・性器クラミジア
・性器淋病
・梅毒
・ヘルペス
・HIV
・B型肝炎 など
膣性交(ソープなど)
本番行為がある場合、粘膜同士が直接接触するため、ノースキンでは感染リスクが非常に高まります。HIVへの感染リスクもあります。必ずコンドームを着用しましょう。
注意すべき性病
・性器/咽頭クラミジア
・性器/咽頭淋病
・梅毒
・ヘルペス
・HIV
・尖圭コンジローマ
・B型肝炎 など
肛門性交(ニューハーフヘルスなど)
アナルセックスは出血がしやすいため、HIV感染確率が高まり非常に危険です。必ずコンドームを着用しましょう。
また、淋病やクラミジアなどは、性器、のどの他に「肛門」にも感染する可能性があります。
挿入行為をしなくても、肛門を舐める行為によって、A型肝炎や咽頭クラミジア、咽頭淋病などへの感染可能性もあるので注意が必要です。
注意すべき性病
・性器/咽頭/肛門クラミジア
・性器/咽頭/肛門淋病
・梅毒
・ヘルペス
・HIV
・尖圭コンジローマ
・B型肝炎
・A型肝炎 など
4.ゴムなしで挿入してしまった!どうすればいい?
誤ってゴムなしで挿入してしまったり、性行為の途中でゴムが外れたり、破れたりしてしまった場合、性病への感染リスクが非常に高まります。どうすればよいでしょうか。
(1)性病への感染が心配な時はドキシPEP、HIV-PEPを検討しましょう
ドキシPEPとは、性行為の後、72時間以内にドキシサイクリン(ビブラマイシン)という抗生物質を服用することで、梅毒、淋病、クラミジアを予防する方法です。世界的に注目されている、新しい性感染症の予防方法です。
(HIV-)PEPとは、性行為の後、72時間以内に抗HIV薬を飲むことで、HIVへの感染リスクを大幅に下げることができる方法です。
HIVは、薬の開発が進み、感染しても適切な治療を受ければ通常通りの生活を送ることができるようになりました。しかし、未だに完治させることはできない病気です。
心配な人、PEP療法をすべきか悩んでいる人は、一度相談しに来てみてください。
▶HIV感染が心配な方へ。こちらで感染確率などを解説しています
(2)性病検査を受けましょう
ノースキンでの本番行為は、粘膜同士が直接接触するため性病への感染リスクが高く、検査可能時期になったら必ず検査を受けましょう。感染者の多い淋菌・クラミジアの他、HIV、梅毒、B型肝炎は調べておいた方がよいでしょう。
キスやクンニ等の行為があった場合は「のど」も、アナルを使った行為があった場合は「肛門」の検査も受けましょう
【おすすめセット検査】
代表的な性病を調べたい方:
スクリーニングシンプル
「のど」も調べたい方:
スクリーニングベーシック
「肛門」も調べたい方:
フルコース
(3)治療が完了するまでは性行為を控えましょう
検査で陽性だった場合は、しっかりと治療を受けましょう。当院のような自由診療クリニックであれば、家族に知られずに治療を受けることも可能です。
なお、薬を飲むなどして治療が完了しても、稀に治療が失敗することがあります。これは、「耐性菌」と呼ばれる、薬の効かない菌が存在するためです。そのため、治療が終わった後には、たとえ症状が治まっていたとしても、治療が成功したかどうかを確認する検査(治癒確認検査)を受けることも忘れずに。
当院では、治癒確認検査には割引が適用されます。
5.さいごに
正しく性病を予防をし、楽しく性風俗店を利用するようにしましょう。
性病について心配なことがあるときは、お気軽にご来院ください。遠方の方は、オンライン診療も実施しております。
国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。