おはようございます。
今日は、HPVワクチン(女性向け)というお話です。
男性向けのお話は、
▶簡単!HPVワクチンの基本(男性向け)
HPVワクチンってなあに?
このワクチンは子宮頸癌ワクチンという名の通り、女性では子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(以下HPV:HumanPapillomaVirus)の感染を予防してくれるものです。
ウイルス自体は、珍しいものではなく、人生で8割以上の人が一度は感染すると言われています。
接触感染なので、性交渉(挿入、オーラルセックス、アナルセックス)で感染します。
ウイルスはさらに細かく調べると、なんと150種類以上いることがわかっています。
とんでもない数ですよね…。
そしてとても苦しい話ですが、国の統計によると、毎年1万人以上が新たに子宮頸がんを発症し、3千人近くが命を落としています。
この子宮頸がんに、かなりの確率で罹らない方法として、HPVワクチンを接種することが極めて有効な方法なのです。
9価ってどういう意味?
その中でも、特に病気に結びつきやすい9種類をターゲットにしたワクチン「HPVワクチン9価」の接種をして、子宮頸癌を予防しようということです。
よく、「費用が安いので、2価や4価の接種と迷っている」
という相談を受けますが、高くても私は9価をおすすめします。
お気づきの通り、2価は2種類の、4価は4種類のHPVウイルスをターゲットにしたワクチンですので、そもそもカバーされている種類が少ないということです。
海外の研究で、4価を接種した集団を追跡調査したところ、予防効果は6割ほどにとどまりました。
これを受けて、5種類のウイルスへの予防効果を追加し、9価にしたところ、90%以上の予防効果を得られるようになった、というストーリーがあった訳です。
このような研究者の涙ぐましい努力の結果、
HPVワクチンと子宮頸癌検診さえ普及すれば、子宮頸癌の撲滅も視野に入ってきたのでは、と業界では囁かれるまでになりました。
当院(パーソナルヘルスクリニック)でも3回打てば自費で10万近くかかってしまいますが、病気になって失う精神的・身体的・経済的損失を考えれば、これも豊かな人生への投資と考えていただけるのではないでしょうか。
(因みに原価が高いため、このような価格設定になっています。涙
本当は安くしてよりたくさんの人に門戸を広げられれば一番なのですが…。)
加えて、HPVは子宮頸部に限らず感染が成立したところで発症するので、中咽頭がん・肛門がん・膣がん・外陰部がん・陰茎がんなども同時に予防効果を得ることができます。
接種間隔は?性行為していいの?
打つタイミングは、0ヶ月、2ヶ月、6ヶ月の計3回です。
その期間、セックスは可能です。
最近、日本でのHPVワクチンの接種率が1%から20%に高まってきたとニュースがありますが、まだまだ、当院にいらっしゃる方は、そういった情報にアクセスできる世代か、医療関係者やその親族の方が多いような印象ですので、普及活動は続けたいところです。
お友達や家族、パートナーにシェアしていただき、HPVワクチンの普及にご協力いただければ幸いです!
さいごに
最後まで読んでくださりありがとうございました!
◆当院でのHPVワクチン接種
・予約不要
※ご予約いただくとご案内がスムーズです
・院長は国立国際医療センターにてHPVの研究をしております。ワクチンの効果や副反応等について、受診の際にご説明させていただきます。
・性病検査や治療がなく、ワクチンの接種だけをご希望の方もお気軽にご来院ください。
次回
▶簡単!HPVワクチンの基本(男性向け)
もお楽しみに!
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パーソナルヘルスクリニック院長 塩尻大輔
国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。