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性病のすぐにできる予防方法-ワクチン・予防薬-
性病の予防方法(ワクチン・予防薬・すぐにできる予防法)
性病(性感染症)に感染しないようにするにはどうすればよいのでしょうか?
性病は性行為によって感染するものなので、最も確実な予防方法は
・セックスをしない
・(性病に感染していない)特定の相手とのみセックスをする
ですが、難しい場合も多いと思います。
今回は、性病の予防方法をご紹介いたします。
1.コンドーム等の避妊具の利用
コンドーム等の避妊具は、避妊だけでなく、性病予防にも非常に有効です。
ただし、正しく使用しないと十分な効果が得られませんので、次の点に注意しましょう。
コンドーム使用時の注意点
・使用期限が切れていないか確認する。
・サイズや形など、自分に合ったものを選ぶ。
・防虫剤と一緒に保存せず(変質の恐れあり)、直射日光・高温を避ける。
・爪などで傷つけないよう、爪を切る。
・カウパー腺液にも病原体が含まれるため、勃起後すぐに(挿入前に)ペニスに被せる。
・セックス(膣性交)の時以外にも、オーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)の時にも使用する。
・精液だめ(コンドーム先端の細くなった部分)の空気を抜く。射精時に破裂することがあるため。
・射精したらすぐに抜くようにする
2.ワクチンの接種
一部の性病については、ワクチン(予防接種)を予め受けておくことが有効です。
(1)A型肝炎ワクチン
A型肝炎はA型肝炎ウイルス(HAV)に感染することで起きる疾患です。
A型肝炎ウイルスに感染している人の便中に存在するため、オーラルセックスやリミング(肛門をなめる行為)、肛門を触った手をなめるといった行為で感染する可能性があります。
予防にはワクチン接種が効果的です。
【費用】8,000円/1回(税込)
※3回接種が必要。予約不要。
(2)B型肝炎ワクチン
B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)に感染することで起きる疾患です。
B型肝炎ウイルスが含まれる血液や体液が体内に入り込むことで感染するため、セックス(膣性交)の他、キスやオーラルセックス、アナルセックスでも感染する可能性があります。
予防にはワクチン接種が効果的です。
【費用】7,000円/1回(税込)
※3回接種が必要。予約不要。
(3)A型・B型肝炎混合ワクチン(Twinrix)
A型肝炎とB型肝炎の両方に有効な混合ワクチンです。
A型肝炎にもB型肝炎にも感染するリスクのある方は、こちらのワクチンの接種がおすすめです。
【費用】13,000円/1回(税込)
※3回接種が必要。予約不要。
(4)HPVワクチン
HPV(ヒトパピローマウイルス)とは、キスやオーラルセックスを含む性行為により人から人へ感染するウイルスです。
HPVは、子宮頸がん、腟がん、外陰がん、肛門がん、陰茎がん、中咽頭がんなどの発生に関わっていると考えられています。
HPVワクチンには2価、4価、9価がありますが、より多くの種類のHPVに効果のある9価ワクチンの接種が特に有効 です。世界では広く普及しており、9歳から45歳の、女性だけでなく男性にも推奨されています。
【費用】33,000円/1回(税込)
※3回接種が必要。予約不要。
3.HIV予防薬(PrEP/PEP)
HIV(エイズ)は、予防薬を服用することで感染リスクを大幅に下げることができます。
(1)性行為の前に飲むPrEP
性交渉の前に抗HIV薬を内服して予防するのがPrEP(プレップ)です。
「コンドームは相手任せの予防法ですが、PrEPは自分の意思で内服し、予防ができる」と、WHO(世界保健機関)も勧めている予防法です。
飲み方には2種類あり、毎日飲む「デイリー」と性行為の前後に飲む「オンデマンド」があります。
【費用】
■ PrEP1ヶ月セット:11,000円(税込)
※ジェネリック薬30錠、必要な検査費用込み
■ PrEP3ヶ月セット:22,000円(税込)
※ジェネリック薬90錠、必要な検査込み
■ PrEP1ヶ月分:8,000円(税込)
※1週間以内に必要な検査を受けた方のみ
■ PrEP3ヶ月分:18,000円(税込)
※1週間以内に必要な検査を受けた方のみ
(2)性行為の後に飲むPEP
性交渉の後に抗HIV薬を内服して予防するのがPEP(ペップ)です。
医療従事者の針刺し事故(HIV感染者に使用した針を誤って自分に刺してしまうこと)に対しても使用されており、信頼性の高い予防法です。
【費用】
PEPジェネリック薬セット:77,000円(税込)
※診察費、内服開始に必要な検査、1ヶ月後のフォロー検査、すべて込み
4.その他の予防法について
・行為前に体の他、手や口の中も洗う
性行為の前には体や性器を洗うだけでなく、「手洗い」や「うがい」もするようにしましょう。
人間の性器、皮膚、口の中などには病気の原因になる様々な菌が付着しているため、体を清潔にしないまま性行為をすることは、性感染症への感染リスクを高めることになります。
手についている病原菌は、お互いの性器を触ることで相手を感染させてしまう恐れがあります(手マン、手コキ)。
口腔内の病原菌は、キスやフェラチオ、クンニリングス等によって相手を感染させる危険があります。
・行為後に排尿をする
セックスの後に排尿をすることにより、尿道に入った雑菌やウィルスなどが外に流され、性病のリスクを減らすことができます。また、膀胱炎の予防にもつながります。
・定期的に検査をする
性病は、感染しても症状が出ないことも多いため、症状の有り無しに関わらず定期的に検査を受けるようにしましょう。
検査項目としては、代表的な性病であるHIV、梅毒、B型肝炎、淋菌、クラミジアなどがお勧めです。
キスやオーラルセックスによって「のど」にも、アナルセックス等によって「肛門」にも感染することもあるので、リスクのある方はそちらも検査を受けるようにしましょう。
当院では、多くの方が気軽に定期検査を受けられるように、3回分の検査をお得な価格で受けられる3回セットをご用意しております。
郵送検査にも対応しておりますので、ご来院が難しい場合も便利です。
5.お気軽にご来院ください
当院では、ワクチン・HIV予防ともに予約不要となっておりますので、いつでもお気軽にご来院ください。
(予約いただいた方がスムーズにご案内ができます。)
また、ご来院が難しい方には、オンライン診療・郵送検査も実施しております。
どうぞお気軽にご利用ください。
※ワクチン接種はオンライン診療不可となりますので、ご来院ください。
国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。
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