突如、陰部にできたブツブツ。
デキモノや脂肪の塊等の可能性もありあますが、念のため、性病の一つである尖圭(せんけい)コンジローマを疑ってみてください。
尖圭コンジローマは、少しでも治療が早いと治療期間も短くて済む傾向にあります。
もしコンジローマの可能性が疑われる場合は、一刻も早い受診をおすすめします。
2-3ヶ月で自然治癒することもありますが、そうとも限りません。その間に他人に感染させてしまう可能性もありますし、ご自身のイボが増えたり拡大していくこともあります。
中には、受診をためらい、イボが増え続けてしまって、心を痛めてしまう方がいらっしゃるのも事実です。そんな場合も、一人で苦しまず、ぜひご相談いただきたいです。
今回は、コンジローマの感染経路や症状、当院での治療方法等について、詳しく記載していきます。
尖圭コンジローマは、気付きにくい性病
◆気付いたキッカケの事例
尖圭コンジローマの特徴
どこにできるの?
パートナーのアソコにイボ?!
◆生理現象のボツボツの例
コンジローマの感染経路・予防って?
発症している時に、HPVワクチンを接種してもいいの?
感染経路・潜伏期間って?
診断・治療方法って?
さいごに
尖圭コンジローマは、気付きにくい性病
違和感やむずむずかゆみ等がある方もいらっしゃいますが、一般的に自覚症状がない場合が多いようです。
そのため、なかなか本人では気付きにくいようです。
◆気付いたキッカケの事例
・パートナーに「何かできてるよ?」と言われた
・VIOで「恐れ入りません、施術できません」と言われた
・自身の陰毛処理中に気付いた
・オナニーで触れて気付いた
・なんとなく「あれ?」と気付いた
※当院の診察では、医師からおうかがいすることはありません。
尖圭コンジローマの特徴
尖圭とは、「先のとがった」という意味があります。
その名の通り、見た目はツンツンしたイボのようなものであることが多いです。
◆形状
・ニワトリのトサカ(頭)
・カリフラワー
・タラコのような凹凸
・お花が咲いた感じ
◆色
・白色
・灰色
・褐色
・ピンク
・黒っぽい
と様々です。
「最初は米粒くらいのが2つ、再確認した時には、大きくなり、数も増えていました。泣」という方も。
どこにできるの?
◆女性
主に大小陰唇(だいしょういんしん)や膣前庭(ちつぜんてい)、会陰、尿道口、肛門
↑おまたをひらいて、手でパカッと陰部を開かないと見えないところ等にも。
そういう場合は、気付きにくいですよね。
◆男性
亀頭の先端部分や冠状溝、包皮内外板(包皮の内側・外側)、陰のう、会陰(陰のうと肛門の間)、尿道口、肛門のまわりや肛門内
↑「性交相手の竿をペロッとめくったら、袋にカリフラワーのようなものが、ごっそりついてて鳥肌でした。泣」という方も。
パートナーのアソコにイボ?!
「男性の性器にイボがある・・・コンジローマかも?!」
そのような場合、もしできるようでしたら、少し観察してみてください。
コンジローマかもしれませんし、コンジローマ以外のブツブツかもしれません。
男性は、皮脂の分泌が活発であるため、脂肪の塊のようなものができやすいのです。
※この場合は生理現象で、性病ではありませんし、感染することもありません。
◆生理現象のボツボツの例
・フォアダイス
(陰茎の皮膚や包皮にできる脂腺によるブツブツ)
・真珠様陰茎小丘疹
(亀頭のカリ首のところに真珠のネックレス状に連なってできるブツブツ)
・包皮腺
(裏スジの両わきにできるブツブツ)
上記の可能性もありますが、素人判断は危険な場合があります。少しでも気になるようでしたらご受診いただきたいですが、本人が気付いていない場合もあるかもしれません。伝え方は気をつけなけばなりませんね。
コンジローマの感染経路・予防って?
稀に温泉の椅子等が感染源という報告もありますが、ほとんとが皮膚と皮膚の接触による感染。つまり、性交渉が原因です。
いずれにせよ、コンジローマの予防には、HPVワクチンが効果的です。HPVワクチンは、子宮頸がんに効果的であることは有名ですが、この尖圭コンジローマにもとても高い予防効果があります。
▶HPVワクチンの基本(女性向け)
▶HPVワクチンの基本(男性向け)
コンドームも予防法の一つですが、ゴムに覆われていない部分から感染する可能性があります。
それに、口に感染している人からキス(ディープ)や口の行為(オーラルセックス)で口や性器に感染することもありますし、性器に感染している人にフェラチオやクンニをすれば、喉に感染することもあります。
発症している時に、HPVワクチンを接種してもいいの?
既に症状として出ているものへの影響は、良くも悪くも、ありません。
今後の感染を防ぐ効果があります。
感染経路・潜伏期間って?
皮膚同士の接触で、60~80%の確率でウィルスをもらいます。発症するかどうかは、受け側の体調等によるといわれています。
感染から発症までの潜伏期間は、3週間~8ヶ月以上と言われています。
診断・治療方法って?
当院での診断は、診察で診断可能です。
治療は、
・軟膏処方(約2か月間塗り続けます)
・液体窒素による冷凍凝固治療/希望される方には、軟膏も処方いたします
を行っています。
【当院の液体窒素による冷凍凝固治療】
冷凍凝固治療を実施している病院は少ない傾向です。また当院では、麻酔により無痛で治療可能です。
ブツブツの大きさや量、また発症した場所によっては、冷凍凝固法の治療が難しい場合もありますので、治療方法は診察にてご相談となります。
▶料金システム(治療費等のめやす)
治療中は、感染させてしまう可能性がありますので、性交は控えてください。
また治療後、表面的には治っていても、皮膚の下にウィルスが存在していて再発の可能性があります。定期的に自分で確認することが大切です。
なお、当院では行っておりませんが、他にも下記のような治療方法があります。
・手術(電気メス、レーザー)
電気メスやレーザーで除去する方法です。腰椎麻酔が必要になることが大半で
周囲の皮膚にウイルスを拡散させてしまい、かえって症状が悪化してしまうこともあります。
さいごに
コンジローマは、感染率も高く、とても身近な病気です。
予防・治療法についてご不明点がありましたら、お気軽にご相談ください。
東京都文京区湯島
(JR山手・京浜東北線 御徒町/上野)
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性感染症専門 パーソナルヘルスクリニック
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パーソナルヘルスクリニック院長 塩尻大輔
国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。