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投稿日:2021.02.16 カテゴリー: 相談室

ヘルペスになったけど私はこの先どうしたらいいのでしょうか…?│相談#02

【相談】社会人カナさん(26)
ある日、陰部に激しい痛みが! おしっこがしみます。歩くのもつらくなってきました。 調べたら、ヘルペスみたいなのですが、正直、複数の人と性交渉があったので、誰だかわかりません。
将来のことがいろいろ心配です。

ヘルペスに感染することで、精神的に落ち込み、人間関係や出産に関して不安を抱く方がとても多いようです。
まずは、明日から前向きな気持ちで生活していけるよう、ヘルペスを正しく知ることから始めましょう!!

目次
【相談】社会人カナさん(26)
ヘルペスはウイルス界の勝ち組
あなたの発症のタイミングを知ろう!
我慢しないで治療を始めよう
さいごに

口唇ヘルペス1型・性器ヘルペス2型は厳密にいうと異なりますが、オーラルセックスの増加により、それらの境目が薄れつつあります。以下では、1型2型をあわせたお話をしていきます。

ヘルペスはウイルス界の勝ち組

挿絵

ヘルペスについて調べると、まず衝撃を受けるのは
『一度かかると治らない』
という言葉。
絶望してクリニックに受診し、中には泣いてしまう方もいらっしゃいます。
人間のかかる病気には、実はいろんな意味で“治らない病気”はたくさんあります。カンジダ・花粉症・糖尿病・などなど。

もちろん病気にならないこと(予防)が一番ですが、治らない病気になってしまっても、「治すこと」から「症状をコントロールして付き合っていくこと」を目標に変えて考えて行くことが大切です。

ある報告では、人生で8割近い人がヘルペスに感染します。
でも、若い世代でヘルペスが聞き慣れないのは、まだ同じ世代での感染率が高くない場合や、他人になかなか話せていないといったことが考えられます。時間の経過とともにたくさんの人が経験していくことなので、特別な病気ではありません。

では、ヘルペスはなぜこんなに多くの人がなるのでしょうか。実は、困ったヘルペス君は、ウイルス界では勝ち組です。
ウイルスは不思議なモノで、自分だけで生きていくことができません。
生活するにも、増殖するにも、必ず誰かの体に住んでいないと、何もできません。

ヘルペス君は人に知られないように、感染するのが上手で、しれーっと神経系に入り込み、私たち(宿主)を殺さない程度にぬくぬくと暮らしています。
そして、機会を見て数を増やしながら、あわよくば次の人間に移り住もうと気長に機会を伺って過ごしています。

新型コロナウイルスのように、住まわしてくれる身体から命を奪うウイルスは、わざわざ自分たちの住処を壊してしまうわけですから、ウイルスとしてまだまだ青二才といえます。
ヘルペス君からみれば、新型コロナ君はまだまだ不出来な新参者なのかもしれません。

書きながら気づきましたが、私も、息子にキスしまくっているので、うつしてしまっていることでしょう。これぞヘルペスの思惑通り。ごめんよ息子。

あなたの発症のタイミングを知ろう!

挿絵
さて、「治す」より、「付き合っていく」ことが大切なヘルペス。

追い出してもなかなか出て行ってくれない厄介なやつではありますが、逆に、てなずけるくらいの気持ちで向き合いましょう。
実はヘルペスは、症状するタイミングはひとそれぞれです。特に、発症しやすい条件がいくつかあるようですので、患者さんや周りの人の経験を参考に一覧にしてみました。

・身体が冷える、冬に出る!!

一月の寒さが厳しい時期に性器ヘルペスが再発する!とにかくお尻を冷やさない!ピリピリし出たらすぐに飲み薬と塗り薬を始めています。

・紫外線が敵!

沖縄にてダイビングをしていたら、初めて口唇・性器、それから乳首に発症!それからも子供を公園で遊ばせたり、旅行したり、紫外線に強くあたると口唇がむずむずしてきます。外出時はUV対策をして発症しないようにしていますが、発症すると唇にかたいツブツブが触れるので、その時点で塗り薬を開始しておけば、症状が悪くなる前に治ります。

・乾燥が引き金!

乾燥すると、口唇ヘルペスが発症するらしく、基本的に空気の乾燥した冬場に多いです。乾燥対策にリップクリームを塗りまくっていますが、油断すると発症します。

・夜勤と残業で疲れた体に…

夜勤の寝不足や忙しい時期に、疲れがたまると症状が出てきます。年度末の繁忙期に出ることが多いです。

・生理・月経になる前

この時期に怪しくなってきます。生理とヘルペスがかぶると、痛みも気分も最悪です。
このように、症状が出始めるタイミングや頻度は様々であることがわかります。

我慢しないで治療を始めよう

挿絵

ヘルペスは基本的に再発しても、一週間から10日ほどで自然と良くなってきますが、何もしないと痛みや見た目の問題で生活へのダメージは大きくなってしまいます。

前駆症状(ピリピリ感、痛みなど)や、初期症状(水泡・潰瘍など)を認めたら、悪くなる前に治療薬を使い始めることで、症状悪化を防ぐことが可能です。是非早めに病院受診をしましょう。

また、初期症状では塗り薬がよく効きますが、症状が強くなってくるとあまり効かない傾向があります。塗り薬、飲み薬をうまく使って、上手にご自身のヘルペスと付き合いたいですね。

ヘルペスの初発(初めて症状が出る時)に関しては、非常に辛い症状が出ることも多く、おしっこがしみる、高熱が出る、痛くて歩けないなど日常生活に支障が出ることもあります。
たまに、「誰から感染したのか知りたいのですが。」

という相談がよくありますが、特定することは難しいです。というのも、日本人の多くがヘルペスのウイルスを保有していて、一生無症状で過ごす人もたくさんいるからです。

ヘルペス感染者の多くが、小さい頃に、親からのキスや口移しで感染しており、長い潜伏期間を経て発症した場合も考えられます。

感染させてしまった当事者も、自身がウィルス保有者だと気付いていない場合もありますし、症状が出ていなくても、人に感染する可能性があります。

あなたが他人に移さないため、再発のある方はお薬をうまく使って症状のコントロールをし、当然ながら、症状がある時の性交渉は避けましょう。
また、ウイルスが排出されている時期を特定することは難しいため、コンドームの着用を普段から心がけることも大切です。

さいごに

挿絵

冒頭にもお伝えした、「症状をコントロールして付き合っていくこと」

このスタンスが重要ですね。

当院では、ヘルペス検査と薬の処方(塗り薬、ヘルペスの再発をおさえる内服剤)を行っております。

ヘルペスの症状でお悩みの方は、我慢せず、お気軽にご相談ください。

東京都文京区湯島
(JR山手・京浜東北線 御徒町/上野)
「安心・安い・親身」を心がけております

性感染症専門 パーソナルヘルスクリニック

日本全国相談・発送可能

国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。