当院では、女性の陰部の検査「膣ぬぐい(おりもの・膣分泌物)検査」は、ご自身で採取していただきます。来院での性病検査の場合も、来院不要の郵送検査での検査の場合も同様です。
そのため、医師の内診(医師が陰部をみること)が不要です。
患者さまにとってメリットがある一方で、初めての方は「ちょっと不安だな。」という方もいらっしゃるかもしれません。
検査のやり方については、来院の場合は看護師から説明がありますし、郵送検査の場合はイラスト付きの分かりやすい説明書を同封しておりますので、ご安心ください。
けれども事前に「どんな検査なのか知りたいな」という方もいらっしゃるかと思いますので、性病検査の膣ぬぐいの方法をご紹介しますね。
そもそも「膣ぬぐい」って?
膣に性病が感染しているか確認する時の検査方法です。膣内分泌物(おりもの等)を採取します。
当院の検査メニューには、”おりもの検査”と表記しています。
おりもの検査で、何が分かるの?
女性器の陰部に感染した性病の有無がわかります。
たとえば、
▶淋病
▶クラミジア
▶トリコモナス
▶マイコプラズマ・ウレアプラズマ
等です。
そのほか性病ではありませんが、膣内のカビや雑菌が原因で発症する
▶カンジダ
▶細菌性膣炎
等も調べることができます。
おりもの検査の方法
おりもの検査は、いつやればいいの?
時間等に決まりはありませんが、通常の状態の分泌液(おりもの)を採取しないと正確な結果が得られませんので、下記に気をつけてください。
【おりもの検査(膣分泌物採取)の採取時期の注意事項】
・生理期間は検査できません。生理期間が終わってから採取してください。
・採取前日または当日の膣洗浄は避けてください。
どうやってやるの?
手順はいたってシンプルです。
また、検査に必要なものは全て当院が準備いたしますので、患者さまにご用意いただくものはありません。来院時には手渡しで、郵送検査ではキットで送付します。
それでは、一緒にやり方を見ていきましょう!(郵送検査キットの場合でご説明します!)
1)綿棒を1本ずつ取り出し、膣に4~5cm挿入して5回ほど回転させます。
ポイント!
・綿棒の先が膣内の壁にやさしく触れるように回転させましょう。こすったりする必要はありません。
・綿棒の先から4~5cmのところを親指と人差し指で持っておくと、より採取しやすいですよ。
2)容器に綿棒を差し込みます。
3)ふたを閉めます。
これで検体採取が完了です!いかがですか?
おりもの検査 Q&A
膣ぬぐい(おりもの・膣分泌物)検査の検体採取について、よく質問を頂く内容をまとめました。
Q.綿棒を挿入するのが怖いです。痛みはありませんか?
A.安心してください。痛みはありません。
綿棒を入れるのに抵抗がある方は、生理用のタンポンをイメージしてください。タンポンに比べたら、綿棒は大変細いですし、入れる深さも浅いです。
また膣内への接触は、壁にやさしく触れる程度の強さにしてください。痛みが出るほど綿棒をこすりつける必要はありませんよ。
※こすりつけてしまうと膣内を傷つけてしまう可能性があります。
Q.陰部に痛みがあるので、できれば検査したくないのですが…
A.その場合、遠慮なくお申し出ください。おりもの検査以外の方法で診断することが可能な場合があります。
例えば、ヘルペスですと診察で診断がつく場合もありますし、血液検査(抗体検査)で診断がつく性病もあります。
さいごに
性的なトラウマ体験があったり、婦人科等での検診で痛みを感じたことがある場合は、陰部の検査は怖いと感じることもあるかと思います。
当院では、患者さまお一人おひとりに応じた検査の仕方やアドバイスを行っておりますので、どうぞお気軽に受診ください。
東京都文京区湯島
(JR山手・京浜東北線 御徒町)
性感染症専門 パーソナルヘルスクリニック
パーソナルヘルスクリニック院長 塩尻大輔
国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。