投稿日:2022.08.12 カテゴリー: 性病（症状・治療）

それは梅毒の症状かも？-抜け毛・ぶつぶつ・足の付け根のしこり-

「最近、髪の毛が抜けるなぁ。」
「急に赤い発疹が出てきたな。」
「足の付け根に、しこりができた。」

この症状のどれか一つが出た時、あなたはどんな原因を思い浮かべますか？

寝不足？年齢のせい？疲れで免疫が下がっているのかな？等、ストレス時代を生きるみなさんは、なにかしら心当たりがあるかも知れません。

しかしながら、あなたが想像した要因とは異なる、梅毒（性病）の症状の場合があります。

梅毒の感染が大流行している令和時代です。心当たりのない方も、ぜひご一読ください！

梅毒って何ですか？

梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という病原体が体内に入り、悪さをする病気です。

セックス等の性的な接触により感染するため、性病（性感染症）の一つです。

キスでも感染する？

「セックスしていなくても、梅毒になりますか？」という質問を受けることがありますが答えはYESです。

梅毒は、キスでも感染します。口（唇、口の中、喉など）が梅毒に感染していた場合、キスをすれば相手の口に、オーラルセックス（口で性器に触れる）をすれば相手の性器に感染する可能性があります。

コンドームしていたら感染しない？

コンドームを使用することは、感染予防には有効ですが、コンドームで覆われていない部分の皮膚などでも感染がおこる可能性があるため、コンドームを使用しても、100％予防できるわけではありません。

つまり、「挿入していないから大丈夫」といった話ではなく、素股やマンズリでも感染するということを覚えておいてください。

梅毒の症状をチェック！

何気ない症状で、見過ごしてしまう事も多い梅毒の症状。痛みがないことも多く、治療をしなくても症状は自然に軽快します。しかし、症状が現れたり消えたりを繰り返しながら徐々に全身を侵していきます。症状がない時期も体内に病原体がいるので、他の人にうつす可能性もあります。

まずは、下記のような症状に心当たりがないかチェックしてみましょう！

※梅毒は、人によって症状の場所や内容が異なります。また症状が出ないこともあり、治療しないでいると病気が進行します。感染の機会があった場合は、必ず検査をおすすめしています。

痛みがないしこりができた！

最初の3週間くらいで性器（陰部）や肛門、口に痛みのない「しこり」ができます。足の付け根（そけい部）が腫れることもありますが、痛みを感じないケースが多い傾向です。

ただこれらの症状は、自然におさまります。これが梅毒の症状の厄介なところです。治療せずに放っておいてもしこりは自然に消えるため、治ったと思わせてしまいます。しかし、それが梅毒の初期症状のサインです（症状が出ないこともあります）。

しこりがひいても、体内に梅毒が潜んでいて、その後の症状がないまま何年も経過することがありますが、体内にひそんでいて、体をむしばんでいくのです。恐ろしいですよね…

※この時期から、他人に感染させてしまうことがあります。症状が出ていなくても、感染力はあります。

薄い赤い発疹（てんてん）が出た！

手のひら・足の裏を含めた体全体にうっすらと赤い発疹がでます。バラの花のようであるからバラ疹と呼ばれます。感染してから約３ヶ月以上経過した時期に現れます。

また、この時期に全身倦怠感、発熱が出ることもあります。「風邪だと思い風邪薬を飲み続け一向に症状がよくならない。」「新型コロナウィルスだと思って、抗原検査を何度もしたけれど陰性が続いている。」等、原因が特定できない場合は、一度、梅毒を疑って欲しいです。

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抜け毛（脱毛）が増えた！

梅毒に感染した約1割以下の方に、抜け毛の症状が出ることがあります。
全体的に脱毛が起こる場合もありますし、まだらに抜けたり、虫が葉を食べたあとのような円形の脱毛が数カ所出たりするのが特徴です。感染してから約３ヶ月以上経過した時期に現れます。
早く治療を始めれば、脱毛症状も治癒します！

以前、赤い発疹等があったけれど、今は消えた！

一度上記のような症状が出てから一旦おさまり、数年間～数十年の間、梅毒が体内にいるのにもかかわらず、何の症状も出ない「潜伏梅毒」という時期があります。

これが梅毒の恐ろしいところです。体内にいるのに姿をあらわさない。数年経った頃には、誰からうつったのか分からない、自分自身も気付かないうちに梅毒の感染を拡散させていた、というわけです。

頭痛がする、思うように発音できない

梅毒に感染して長期間放置すると、頭痛がずっと続いている、思うように発音できない…それは梅毒による脳神経や脳の血管の障害かもしれません。すぐに受診してください。

東京都文京区湯島
（JR山手・京浜東北線　御徒町）

性感染症専門パーソナルヘルスクリニック

予約・受診について相談

ほかにも、心臓や臓器に重大な損傷を与えることがあります。心臓弁が壊れて心不全を起こしたり、心臓から全身に血液を送る大動脈という臓器が拡大して破裂する病気（大動脈瘤）になったりするなど、重篤な障害や死亡に至ることもあります。

これは、長期間放置した場合の例です。初期の段階ですと、後遺症も残らず治療できます。
私たちが、早期発見・早期治療が大切だとしつこく繰り返しているのは、このためです。

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梅毒は治療できるの？

このようにとても恐ろしい梅毒ですが、この令和時代においては、適切な治療を早期に受けることで、治る病気です。ただ、感染してから時間が経過してしまっていると、脳神経や臓器にまわって重篤なダメージを与えられてしまうことがあるため、少しでも早く治療することが大切です。

先ほどもお話したとおり、無症状で気付かない場合も多くありますので、性行為をする方は誰もが定期的な検査をすることをおすすめしております。

▶梅毒の治療はこちら

梅毒は、最近増えているの？

残念ながら、梅毒と診断された患者さんの数は増え続けています。
以前は、「一人以上の相手との性交機会がある方」に向けて注意換気をしていた梅毒ですが、近年では「セックスなどの機会がある人全員」に定期的な検査を推奨している性病の一つです。

▲出典元：厚生労働省　性感染症報告数（2004年～2020年）より当院にて作成

梅毒の患者数は男性が多いのですが、最近では女性患者も増えており、特に20代の女性が急増しています。女性の場合は、CWSの方に限らず一般家庭の主婦などにも感染が広がっています。

梅毒に感染していると、HIV（エイズウイルス）に感染するリスクが何倍にも増えるという結果があります。梅毒とHIV（エイズウィルス）に同時に感染している場合もあるため、梅毒陽性（梅毒感染）が出た場合、HIV検査もすることをおすすめしています。

さいごに

梅毒は感染機会があれば、何度も感染します（免疫はできない病気です）。
梅毒は全身にまわり命に関わることがある疾患であるため、医師による診断と治療が必要です。性病検査キット等で陽性が出たら、ショックかと思いますが、すぐに治療することが大切です。

お気軽にご相談くださいね。

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