みなさんこんにちは、性病科の看護師です!
今日は、「この前のセックスでHIVに感染していたらどうしよう」と不安を抱えているあなたに、新しいHIV予防の情報をお届けします!
エイズ治療研究開発センター(新宿区)に所属する院長から聞いた話を交えて、お伝えしていきます。
みんな困っている、コンドームの外れ、破れ!
PEP(ペップ)って何?
塩尻院長に聞いてみた!
PrEP(プレップ)というのとは違うの?
飲めない条件はあるの?
副作用はあるの?
入手方法は?
受診の流れは?
どんな方がクリニックに相談にきているの?
さいごに
みんな困っている、コンドームの外れ、破れ!
まず、HIVを予防するために日本で多く使われているのは、男性用コンドームです。
しかしながら、外れたり、破れたり、みなさんヒヤリとしたことがあるのではないでしょうか。私もあります!
また、女性からコンドームの使用を言い出しづらかったり、途中で勝手に外されたりした経験がある人も多いと思います。
そんな不測の事態に頭をよぎるのは、
「性病もらっていないかな?エイズとか怖いな。」
だと思います。
日本は性教育に関してはまだ充分とは言えず、トラブルがあって初めて、性病やHIVのことを調べて不安になってくる人が多いようです。
特にHIVは、感染したかどうか検査してもわからない「ウインドウピリオド(潜伏期間)」が長いため、精神的に疲弊することになってしまいます。
そんなときに、あなたの体と心を助けてくれるのが、HIVを飲み薬で予防する方法、PEP(ペップ)です。
PEP(ペップ)って何?
PEPは、セックスをした72時間以内にお薬を飲み始めることで、HIVの感染をほぼ100%予防する方法です。
飲むお薬は、HIV治療をしている患者さんが一生毎日飲み続けるお薬と同じものです。これを28日間、1日1錠飲み続けることで、HIVのウイルスが体に入り込まないようにブロックします。
ちなみに、エイズ治療・研究開発センター(東京都新宿区)では、医療者の針刺し事故(患者さんに刺した針を、誤って自分にさしてしまった)の場合このPEP療法でHIV予防を行っています。
塩尻院長に聞いてみた!
Q:先生、PEPの予防確率がほぼ100%というのは本当ですか?
A:はい、きちんとお薬を内服すれば、予防効果はほぼ100%です。2000年以降ではアメリカで報告されている医療従事者の針刺事故後のPEPではHIV陽性になった方は1人とのことです。また、日本では未だPEPを行ってHIV陽性になったという報告がありません。もちろん当院でもPEP後のHIV陽性者は0(ゼロ)人です。
PrEP(プレップ)というのとは違うの?
PrEPは、日頃から抗HIV薬を飲んでおく方法で、曝露「前」予防と言います。
PEPは、行為の後から飲み始める方法で、曝露「後」予防と言います。
あらかじめ飲んでおくか、後から飲むかという違いなので、ピルとアフターピルの位置付けに似ていますね。
当院でPEPを行った方で、その後PrEPに移行する方もたくさんいらっしゃいます。
PrEPに興味のある方は、こちらをご参照ください。
▶女性のためのHIV予防内服プレップ(PrEP)
飲めない条件はあるの?
お薬の併用(低容量ピルを含む)、また、持病があってもほとんどの場合内服に問題はありません。ただ、内服薬や治療中の疾患に関しては、診察の際に医師に相談しましょう。
副作用はあるの?
時々、吐き気の出る方がいらっしゃいますが、数日すれば治ります。心配な方には、嘔気を抑える薬をお出しすることも可能です。
入手方法は?
PEPは、まだ日本では未承認のお薬であるため、薬局やかかりつけのお医者さんで出してもらうことはできません。
当院では、新しい研究・論文や、エイズ治療・研究開発センターでの実践をもとに、専門の医師がPEPを安全にご提供しています。
ご相談にクリニックに直接お越しいただくか、オンライン診療も行っております。
医師がお話を伺った上で、感染のリスクが低いと判断した場合は、患者さまとご相談ののち、お薬を処方しないこともございます。
お薬を飲む必要があるのか迷っている方も、お気軽に受診ください。
受診の流れは?
匿名で受診することができます。
保険証の提示も不要です。
医師からお話を伺います。
↓
HIV・梅毒・B型肝炎・腎機能の確認
↓
お会計時に、お薬をお渡しいたします。
※薬局にお薬をとりに行く必要はなく、院内で全て完結します。
オンライン診療でも同価格で処方可能です。その場合、お薬は郵送にてお送りします。
どんな方がクリニックに相談にきているの?
詳細を変えて掲載していますが、どのようなご相談が多いのか参考にしてみてください。
●20歳 女性
出会い系のアプリで知り合った男性と、初めて会った日にセックスをした。お互いコンドームを持っておらず、3回ともお腹の上で射精。初めは優しそうで頼り甲斐のある男性だと思っていたけど、家に帰ってから、やけに女性に慣れていた立ち振る舞いが気になりだし、かなり遊んでいる印象に変わった。病気をもらっていたらどうしようと不安になり始め、HIV感染について調べていたら、PEPを知った。
親に心配をかけたくないので、感染のリスクをとりたくないのでPEPの服用を開始。
●25歳女性
バーで知り合った外国人男性と、ワンナイト。ゴムをしてくれていたのに、終わってから相手がゴムを外していたことに気づき、衝撃を受ける。外したのか、外れたのかも、見えなかったのでわからないが、ゴムが床に落ちていたので自分で外したようだ。彼のことをよく知らない、連絡先も分からない。いつもゴムなしでしているのだとしたら、HIVのリスクも高いのではと気になりだし、PEPにたどり着く。妊娠の可能性もあると思い、同時に緊急避妊薬アフターピルの処方も希望。
●19歳 女性
バイト先の気になる年上男性とデートに行った。夜の公園でディープキスをされ、たくさん唾液を飲んでしまった。
後日、友達からその男性はかなり遊んでいるらしいと噂を聞いて、HIV感染が心配に。PEPの必要があるのかパーソナルヘルスクリニックに受診。
医師から「仮に唾液中にウイルスがいたとしても、キスだけでうつる可能性は極めて低いです。」と説明され、安心できた。PEPの内服はしないことにして、3ヶ月後に検査を受けることにした。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
PEPは日本での認知度は高くありません。…というか、全然知られていません。私の看護師の友達でさえも、一人もひとり知りませんでした!
しかし、PEPは安全性が確認され、多くの国で実践されている内服方法ですので、この情報にたどり着いたあなたは、かなりの物知り博士といえるでしょう。
私たちも、この情報が多くの方を救うと確信しています。ご不安な方は、是非一度ご相談ください。
東京都文京区湯島
(JR山手・京浜東北線 御徒町/上野)
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性感染症専門 パーソナルヘルスクリニック
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パーソナルヘルスクリニック院長 塩尻大輔
国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。