来院相談 ゆいかさん(28歳)
性交痛があり、長年悩んでいます。
友達に相談したら、
「男がヘタなんじゃない?」
「相手の経験が少ないんじゃない?」
「性器の大きさが合わないんじゃない?」
等と言われましたが、相手を変えてエッチしても、痛みがあります。そのため、早々にイッたフリをすることもあります。
本命の彼ができたのですが、また痛みがあるかと思うと、積極的になれません。
どうしたらいいのでしょうか?
ご相談ありがとうございます。
性行為中に痛みを感じる(性交痛)ことは、経験がある方も多いと思います。
性交痛とは、「挿入時」や「性交渉後」に女性の性器の外側や腔内が痛むことです。
性交時の痛みは、身体だけではなく精神的にも痛みが伴いますね。「痛みがあっても我慢するしかない」と相手との関係を思うばかりに、我慢している方も少なくありません。
ただ、毎回のこととなると誤魔化しきれず、関係性もギクシャクしかねませんね。またゆくゆくは不妊症につながるケースもあると言われています。
そこで、ここでは性感染症専門クリニックの医師視点での性交痛の原因と対処法について、お伝えします。
1.膣の入り口の痛み(外陰部・陰唇、膣開口部周辺)
陰部は、デリケートゾーンとも言われるように、敏感ですね。
少し傷ができるだけでも痛みに発展することもあります。
そこに、菌やウイルスが感染すると、痛みに発展することがあります。
東京都文京区湯島
(JR山手・京浜東北線 御徒町)
性感染症専門 パーソナルヘルスクリニック
・性感染症の感染が原因?
クラミジアや淋病に感染していると、痛みが生じる場合があります。
また水泡のようなヘルペスが膣内にできていると、相当な痛みを生じることも。
また、性感染症の可能性が少しでもあると感じたら、パートナーとの性行為は控えましょう。大切なパートナーに性病をうつしてしまうリスクがあります。
▶「性器の痛み」で性病を調べる
・カンジダや細菌性膣炎が原因?
カンジダは、真菌(しんきん)というカビの一種が陰部で増えることがあります。
膣内や、おまたの周辺の皮膚に感染します。
カンジダの原因となる真菌が膣内で悪さをすることで、皮膚や膣内に炎症を広げることがあります。また尿道のほうの炎症に繋がったり。
カンジダの主な症状は、痛みよりも痒みですが、皮膚が擦れたりすることで、痛みに変わることも。再発しやすいのですが、カンジダ菌の繁殖が拡大すると厄介です。
また膣内が無菌状態の方もいらっしゃいます。
当院では、症状に合わせた治療をご提案しております。
▶おりもの検査
2.腟の奥の性交痛(骨盤内)
・細菌性膣炎
膣内に、悪玉菌(ばい菌)等により炎症が広がることがあります。あまり知られていませんが、細菌性膣炎と言います。
おりものの増加やにおい、陰部の外側や膣内の痛みなどの症状がある場合もあります。
・ホルモンバランスが原因?
エロいとかそういったことは抜きに、「濡れていない」ことが原因の場合があります。
セックスのとき、ぬれる(陰部がビチャビチャになる)のは、性的興奮が起こると膣内から分泌液が出されます。しかし、その日の体調や生理周期、ストレスなどに影響を受けることもあるんです。そのため、「性的興奮をしているのに、濡れない。」。
「彼が一生懸命刺激をしてくれているけど、カサカサで刺激を受ける度に、擦れて痛い。」
といったことが生じます。
・婦人科系の病気が原因?
上記以外の原因の場合には、医師の診察や治療が必要です。例えば、子宮内膜症等の婦人科系の病気の場合は、婦人科への受診を推奨します。
※当院は性感染症専門の病院のため、膣内エコー等の装置がありません。
3.性交痛の対処法
・性感染症等が原因の場合
性性感染症やカビ・ばい菌(カンジダ・細菌性膣炎)が原因の場合は、治療ができます。
まずは、感染しているのか検査して、必要に応じてお薬で治療をします。
陰部の診察は不要なので、ぜひお気軽に検査していただきたいです。
東京都文京区湯島
(JR山手・京浜東北線 御徒町駅)
性感染症専門 パーソナルヘルスクリニック
・濡れないことが原因の場合
濡れる(膣分泌液が出る)ことは、ペニスの挿入をスムーズにする潤滑剤の役割があります。濡れていないと、ペニスが擦れて痛みを感じやすくなります。
濡れないことで性交痛が原因の場合は、潤滑ゼリーの使用も効果的です。
ちなみに「ローション」というアイテムもありますが、潤滑ゼリーとは用途が異なりますので注意しましょう。膣内に使用するものは、潤滑ゼリーです。ローションは、肌と肌の接触用として活用しましょう。
またホルモンバランスの乱れやホルモンの減少により濡れないこともあります。
▶ピルの処方について(費用)
さいごに
性交痛は、人それぞれです。
上記に記載した原因以外にも、心因性のものもあります。
原因がわからずに、対処のしようがないのは辛いですので、婦人科系の疾患の心当たりがあれば婦人科、性感染症やカンジダ・膣炎等の心当たりがあればぜひ当院へご相談ください。
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(JR山手・京浜東北線 御徒町)
性感染症専門 パーソナルヘルスクリニック
▶パーソナルヘルスクリニック院長 塩尻大輔
国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。