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投稿日:2022.01.11 カテゴリー: 性病(症状・治療)

妊活・妊娠・流産時に推奨したい性病検査│マイコプラズマ・ウレアプラズマ編

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妊活や不妊治療中の方、流産、不育症の可能性がある方、また今後赤ちゃんを授かりたいと考えていらっしゃる女性、またそのパートナーの方にお読みいただきたい内容です。

また、おりものの様子がおかしいので性病検査を受けたけれど、淋菌・クラミジアではないので様子をみている方も、本記事でご紹介する検査をご検討ください。

今回は、性感染症の観点から、不妊や流産の原因になってしまう可能性がある性病、マイコプラズマ・ウレアプラズマについてお話していきます。

そもそも、マイコプラズマって性病なの?

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よく耳にするマイコプラズマ肺炎と性病のマイコプラズマは、名前は似ていますが、別物です。

その感染経路も異なります。
性病のマイコプラズマは、性行為(キス等含む)によって感染します。
肺炎のマイコプラズマは、くしゃみ等による飛沫感染や接触感染が主です。

厄介なことに、性病のマイコプラズマに感染した女性のほとんどは、自覚症状がなく、感染していることに気付けないことが多いのです。

なぜ不妊や流産の原因になるの?

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近年、性感染症の分野では、マイコプラズマ・ウレアプラズマが早期の流産に関係していることがわかってきました。しかし、詳細についてはわかっていない部分が多く、治療方法が確立していないため経過観察しているケースがあります。マイコプラズマ・ウレアプラズマに感染していると、卵管子宮頚管炎(子宮頸管の炎症)になります。場合によっては、骨盤腹膜炎等も引き起こし、不妊症の原因にもなります。そういったことから、流産や早産のリスクとなる性病といわれています。
また母体経由で赤ちゃんに感染すると、髄膜炎などの後遺症や、場合によっては命を落とすこともあります。

ですから、妊娠を考えていらっしゃる方には、安心を買う意味でもぜひ検査をしてもらいたいのです。

どこで検査を受けられるの?

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しかしながら、マイコプラズマやウレアプラズを検査できる病院は限られています。
現在、日本ではマイコプラズマ・ウレアプラズマの検査は保険適応となっておりません。検査は自費診療となり、性感染症科での検査が可能です。

東京・上野 パーソナルヘルスクリニック

マイコプラズマ性病検査について

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当院のマイコプラズマ・ウレアプラズマ性病検査では、
マイコプラズマ・ホミニス、マイコプラズマ・ジェニタリウム、ウレアプラズマ・パルバム、ウレアプラズマ・ウレアリチカムという生殖器に病原性のある4種類の原因菌を調べることができます。
(ちなみに、 マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマ・ニューモニエという菌です。)

マイコプラズマ・ウレアプラズマの感染経路・感染確率は?

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性病のマイコプラズマ・ウレアプラズマの主な感染経路は、キス、オーラルセックスやクンニ、フェラチオ、ケツ舐め、コンドーム無しの性行為です。
女性は膣、男性は尿道に、男女共通でのど・肛門に感染します。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの感染確率は、約30~50%。菌保有者と2~3回行為をすると感染するということですから、非常に高確率です。

マイコプラズマ・ウレアプラズマの症状は?

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症状がある場合は、クラミジアや淋菌とほとんど同じで、特に女性は多くの場合、無症状です。

■症状

潜伏期間は、およそ1〜5週間です。

◆女性の場合

性器の症状:おりもの増加、膣の違和感、自覚症状がない場合も多い。

◆男性の場合

性器の症状:性器の異臭、尿道の違和感や痒み、排尿痛、膿が出る。

◆男女共通

のどの症状:のどの違和感・いがいがした感じ

妊婦検診でのマイコプラズマ・ウレアプラズマ検査

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流産や早産の際には原因を検証しますが、マイコプラズマ・ウレアプラズマであった場合は、具体的な原因が掴めないことがほとんどです。その理由は、マイコプラズマ・ウレアプラズマが不妊の原因になるとわかってきたのは最近のことで、まだ科学的研究が進んでいないためです。
妊婦検診では、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV等の感染症検査をしますが、多くの場合、マイコプラズマ・ウレアプラズマは検査項目外です。マイコプラズマ・ウレアプラズマに感染していたとしても、気付く機会はほとんどないのです。無症状であっても症状は悪化するわけですから、当院では自主的な検査を推奨しています。

当院のマイコプラズマ・ウレアプラズマの検査

マイコプラズマ、ウレアプラズマは、それぞれ2種類ずつに分かれます。
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◆マイコプラズマ

「マイコプラズマ・ジェニタリウム」、「マイコプラズマ・ホミニス」

◆ウレアプラズマ

「ウレアプラズマ・ウレアリチカム」、「ウレアプラズマ・パルバム」

この中で、単独で流産のリスクがあると言われているのは、「マイコプラズマ・ジェニタリウム」です。その他のものも、他の雑菌と混在したり、量が多い場合は問題となります。
当院の検査では、この4種類の検査を一度に行うことが可能です。のど、性器(尿・腟)、肛門の3部位の検査ができます。
また陽性だった場合、4種類のうちどれに感染していたか特定することができます。

◆マイコプラズマ性病検査と検査費用

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女性のマイコプラズマの検査は、こちらの3部位の検査が可能です。

のど(うがい)
性器(性器ぬぐい:おりもの検査)
肛門(肛門ぬぐい)

▶マイコプラズマ・ウレアプラズマ検査の費用

全国どこでも発送可能

当院のマイコプラズマ・ウレアプラズマの治療

マイコプラズマ・ウレアプラズマの治療は、患者さんの状態に合わせて治療薬を選択しています。
というのも、もともと抗生物質が効きにくい感染症であること、抗生物質が効かない種類が増えてきているからです。
当院では、患者さんの症状や状態、感染している菌に対応した治療を行っております。
お気軽にご相談ください。
▶マイコプラズマ・ウレアプラズマ検査の治療費(薬代)
※治療方針については、症状やご状況によって医師と相談となりますので、費用価格については目安になります。

さいごに

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実は、執筆者の私も、2度の流産経験があります。
流産の原因については、産婦人科師から「初期流産は原因不明の場合がほとんどです。」
と言われました。自身は、「原因があれば解消して、少しでも早く授かりたい」との思いが強く、時間も精神も削られました。
マイコプラズマ・ウレアプラズマによる流産・早産は、なかなか原因が掴めないことが多いですから、妊活を考えていらっしゃる方や不妊症の原因がわからないという方には、ぜひ受けていただけたらと願っています。

東京都文京区湯島
(JR山手・京浜東北線 御徒町)

性感染症専門 パーソナルヘルスクリニック

全国どこでも発送可能

検査キットの画像

国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。