男性が射精のために行うマスターベーション（オナニー/自慰行為）は一般的に知られていますが、女性のマスターベーション（オナニー/自慰行為）の捉え方には、個人差がありますね。
日本では、性についての話題はタブーとされることが多く、家庭内で性行為を行うことに罪悪感を抱く人も少なくありません。また自身の体の正常な状態を把握していないことから、性器周りに異常があっても気付きにくく、病気が進行してしまうこともあると言われます。
一方、海外の研究によると、女性もオナニーをすることで、脳内に幸せホルモンであるオキシトシンが分泌され、ストレスを緩和しリラックスできる効果があるという結果が得られています。
女性のオナニーにはメリットがある一方、注意点もあります。
ここでは、性感染症専門の医師の監修のもと、女性がオナニーをする際に気を付けるべきポイントを紹介します。
手でする場合
指オナニー(指オナ)と俗に言われる、自分の指や手で性感帯膣や膣内を刺激して快感を得るマスターベーション。リラックスすることで、より感じやすくなることもあります。
東京都文京区湯島
（JR山手・京浜東北線 御徒町）
性感染症専門 パーソナルヘルスクリニック
《指でのオナニーで注意したいポイント》
指とデリケートゾーンは清潔ですか？せっかくシャワーを浴びて清潔にした後でも、オナニーの前にスマホ等を触った手でオナニーすると、雑菌などが入り込む可能性があります。なお、ネイルが長い人は、爪の間も念入りに洗いましょう。
爪がとがっている方は、爪で陰部を傷つけてしまうことがあります。陰部に傷がつくと、そこから雑菌が入って赤く炎症を起こし、痒みや痛みを引き起こすことがあります。また、性交した相手が性病に感染している場合、その傷口から菌やウイルスが入りやすくなります。つまり、性病に感染する確率が上がってしまいます。
そのため、爪が長い方は、膣の奥に指を入れないようにすること、陰部の外側は、指の腹等で刺激すること、もしくは指を使わずに、オナニーグッズ等を使用すると良いでしょう。
指で性器を触ったタイミングで、「しこりやブツブツに気づいた・・・」という方が、当院に多く受診します。
性器のできものは、梅毒・ヘルペス・コンジローマなどの性病であるものや、正常なものもありますが、なかなか一般の方には見分けがつきません。
不安な方は、ぜひ当院にご相談にお越しください。
器具（グッズ）を使用する場合
手だけを使って自慰行為を行うことよりもハードルが高いですが、オナニー用の道具を使用して刺激を得る方もいますね。
オナニーグッズやアダルトグッズ等と呼ばれるようですが、例えば、ローター、バイブ、電マなど。
《器具でのオナニーで注意したいポイント》
オナニーグッズは、清潔に保っていますか？グッズに、ばい菌がついたまま膣の入口や膣の中に入れると、そこで炎症を起こしてしまうことがあります。
▶細菌性膣炎（おりもの量が増え、臭いもきつくなる場合があります）
防水のグッズなら、除菌成分入りのハンドソープで水洗いし、清潔なタオルやペーパーで拭きましょう。
アルコールで消毒する場合には、アルコールが乾いてから使いましょう。アルコールで濡れたまま使用すると、陰部等にしみて、激痛になる場合がありますので気を付けたいですね。
なお、バイブや電マは、膣内に入れずにクリトリス周りのみを刺激することが推奨されています。間違った使い方をすると、膣を傷つけてしまう恐れがありますので、気をつけましょう。
濡れていない場合
性的な刺激を感じると、膣から分泌液が出て、陰部周辺が潤ってきます。場合によっては、パンツがビチャビチャに汚れる場合もあります。
この分泌液により、擦ったりしても傷つくのを防ぐ潤滑剤になります。
《濡れていない場合の注意したいポイント》
体質や年齢、ストレス等により、膣から分泌液が出にくくなることがあります。
そんな時は、擦れると膣周辺が傷ついて感染症等を招くリスクが高くなりますので、やさしく刺激するのがよいでしょう。必要に応じて、潤滑ゼリーを使用するのもよいですね。
オナニー後に注意するポイント
オナニーをした後には、シャワーを浴びたり、陰部を清潔に保つようにしましょう。陰部が分泌液やゼリーで濡れたままにしておくと、尿道からの雑菌が繁殖し、不衛生になることがあります。寝る前には特に注意しましょう。
オナニー後に陰部を清潔にせず、寝てしまって朝を迎えると、陰部がかゆくなったり、後日、白いカッテージチーズのようなかさぶた状のカスが付着することがあります。これは、カンジダなどの常在菌が繁殖している証拠かもしれません。
ぬれっぱなしにしておくと、これらの菌が発生しやすくなるので、特に注意しましょう。
新しいパートナーができたり、久しぶりに性行為がありそうな時は、性病の検査をしておくこともオススメです。検査のみの受診でしたら診察費用はかかりません。診断以外の相談は、看護師にご相談していただけます。お気軽にお越しください。
東京都文京区湯島
（JR山手・京浜東北線 御徒町）
性感染症専門 パーソナルヘルスクリニック
さいごに
女性がオナニーをする際に気を付けるべきポイントについて、性感染症専門の医師の監修のもとでご紹介しました。
オナニーをする場合には、衛生面に気を付けながら、自分に合った方法を見つけられるとよいですね。
当院では、「治療に必要のない情報」をこちらからは聞きません。
安心して受診いただきたいと思っております。
▶性病科に受診！診察室で、どこまで話す？
東京都文京区湯島
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性感染症専門 パーソナルヘルスクリニック
▶パーソナルヘルスクリニック院長 塩尻大輔
国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター（ACC）にて、HIV（エイズ）・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。
▶NeuroImage.SienceDirect Volume 76, 1 August 2013, Pages 178-182