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女性の20人に1人が感染?!クラミジア感染症の6つの注意点
クラミジア感染症
について、当院看護師が私の臨床研究や診察、現場の実例をもとにまとめました。知っておきたい、クラミジアの感染経路・症状・治療法、不妊リスク
クラミジアという病名を耳にしたことがあるという方は多いかと思いますが、具体的にどのような病気なのかご存じですか?
近年では風俗業界などで働いている方だけでなく、実は、一般の男性、女性、さらには中高生の間でも感染率が高くなってきている性感染症です。
多くの方が無症状であるため、
「気づかないうちに、彼氏・彼女にうつしていた。」
ということも珍しくなく、クラミジアの感染は広がるばかりです。
この記事では、感染率が高いからこそ、性行為経験者には心得ておいてほしいクラミジアの自覚症状や対処法、リスク等についてお伝えします!
目次
1 自分が感染源?!クラミジアの症状は?無症状ってホント?
2 キスだけでものど(咽頭)に感染する?
3 クラミジアの症状とそっくりな2つの性感染症とは?
4 クラミジアが治らない?再発しやすい?
5 クラミジアは放置すると、男性も女性も不妊に繋がる
6 クラミジアに感染しているとエイズになりやすい
さいごに
◆ 検査について
◆ 郵送検査/オンライン(電話)診療について
1. 自分が感染源?!クラミジアの症状は?無症状ってホント?
クラミジアに感染しても必ずしも自覚症状が出るわけではありません。知らないまま感染し、病原体をずっと持ち続けることがあります。
新しいパートナーとの初めての性行為の後、パートナーに症状が出現することで、実は自分がクラミジアに感染していたことが判明するケースは少なくありません。
近年の報告では、20代女性のうち20人に1人がクラミジアに感染していて、そのうち症状があるのは5-30%のみ。
男性の場合は、感染している人のうち症状が出現したのは、約10%の方のみでした。
(参考:CDC STD surveillance 2019)
つまり、クラミジアにかかっていても無自覚の方が多いということになります。
そのため、
「自分は感染していたことに気づかずに性行為をして、相手に感染させてしまった!」
という事態が珍しくないわけです。
このように自覚症状が出現する確率が低いクラミジアですが、自覚症状がある場合は、下記の症状がみられることがあります。
◆ 男性の場合
男性の方が症状を感じやしすい傾向にあります。
・尿道にかゆみ、排尿時に軽い痛み(尿道炎)
・尿道から透明~やや濁った膿が出る
・副睾丸の腫れや圧痛、発熱
◆ 女性の場合
女性のほとんどが無症状です。症状がある場合は、下記の通りです。
・おりものの増加やにおい、かゆみ
・濃いめの黄色いおりもの
・生理痛のような下腹部の痛み
・不正出血や性交痛
また、痛みや違和感の症状が、膀胱炎や下痢症状と思い込んでいたという方もいらっしゃいます。
2. 感染経路は?キスだけでものど(咽頭)に感染する?
クラミジアは、粘膜の接触があれば感染します。
つまり、性器への接触がなくても相手がのど(咽頭)にクラミジアを保菌していれば、キスをするだけでうつります。
近年の性風俗での性的行為は様々な形があり、本番行為(膣性交)がないこともありますが、実は何かしらの形で感染していることがあります。
たとえばオーラルセックス(口腔性交)を行った場合は、性器からのど、のどから性器へ感染することがあるので要注意です。
またアナルセックス(肛門性交)による肛門への感染もありますので、のど・性器・肛門の3か所にクラミジアが感染する可能性があります。
そのため、心当たりがある部位は、もれなく検査することが大切です。
3. クラミジアの症状とそっくりな2つの性感染症とは?
あまり聞き慣れない名前だと思いますが、「マイコプラズマ」や「ウレアプラズマ」も性行為によって尿道炎や膣炎、咽頭炎、直腸炎を起こします。
感染率の高いクラミジアや淋病が陰性だったからといって、性病が全て否定されたわけではありません。
もし尿道炎やおりものの異常が続くようであれば、マイコプラズマやウレアプラズマに感染している可能性もありますので、ご相談ください。
4. クラミジアが治らない?再発しやすい?
◆ 耐性菌が増えている
クラミジア治療の市販薬はありません。
代表的な治療薬はジスロマックというお薬ですが、今では耐性菌(薬に対して耐性を持っている病原体)が多く、治癒率は70-80%程度です。
つまり、10人に2-3人は治療に失敗するということです。
薬を飲んで症状がなくなったとしても、そもそもクラミジアは感染していても無症状のことも多いので、再度検査を受け(治癒確認検査)、治療がうまくいったかどうか確認することをおすすめします。
◆ ピンポン感染が多い
治療を終えて完治された方の中で、
「クラミジアの治癒確認で陰性だったのに、再び感染してしまったようです。旦那としか性行為していないのに…」
という相談があります。
これは、俗にいうピンポン感染が原因です。
ご自身は完治したのに、パートナーにすでに病原体がうつっていて
「パートナーから再度、菌をもらってしまった!」
というわけです。
たとえコンドームを着用したところで、コンドームが外れたり破れたりすることもありますし、オーラルセックスでコンドームなしで口での行為をした場合、感染リスクは存在します。
そのため、クラミジアの治療はパートナーと一緒に行い、お互いがしっかり治ったことを確認することが大切と言えます。
5. クラミジアは放置すると、男性も女性も不妊に繋がる
クラミジアに感染した場合、そのまま放置すると男女共に不妊につながる可能性があります。
◆ 男性の場合
ある研究において、男性の不妊症の精巣を生体検査(患部の一部分をとって、顕微鏡などで調べる検査)で調べてみると、約半数にクラミジアが確認されたとの報告がありました。
いずれも自覚症状はなく、これまでクラミジアの検査は受けた事がなかったそうです。
その不妊症の原因は、クラミジアは治療しないで放置すると睾丸の近くまで菌が進んでしまい、睾丸の周りの副睾丸 (精巣上体)に炎症を起こして、副睾丸炎(精巣上体炎)が 起こることにあります。
睾丸の左右どちらか片方であれば不妊症になりにくいのですが、両方の睾丸に起こった場合、不妊症になってしまう可能性がとても高いのです。
◆ 女性の場合
クラミジアに感染すると子宮頸管から卵管まで菌が侵入し、子宮頸管炎になることで卵管が詰まってしまうこと(卵管障害)や受精卵が着床しづらくなること(着床障害)があります。
感染したことに気づかないまま放置するとそのまま炎症が進行し、卵・胚が通常の働きができなくなり、結果的に子宮外妊娠や卵管性不妊の原因となります。
これから妊娠を望んでいて、クラミジアの感染の不安がある場合は、検査しておくことをおすすめします。
クラミジアに感染していて妊娠した場合、感染した状態のままだと流産のリスクが高くなったり、早産を引き起こしたりすこともあります。また母子感染で赤ちゃんへの感染の可能性もあるため、早期検査・早期治療が大切です。
6. クラミジアに感染しているとAIDS(エイズ)になりやすい
クラミジア感染症によって、尿道炎や咽頭炎、直腸炎等を起こしている場合は、炎症によってAIDS(エイズ)のウィルスが侵入しやすい状況です。
性感染症は1つ感染することで、複数の感染の引き金になることがあります。ご自身やパートナーのためにも、定期的に性病検査をすることが安心ですね。
▶【割安】定期検査3回セット
さいごに
日本人の性感染症において、感染確率が最も高いクラミジア感染症。
そのほとんどが無症状であるため、今後妊娠を考えていらっしゃる方は一度検査をしてみてはいかがでしょうか?
検査と治療について
◆ クラミジアの検査・治療について
具体的な検査の種類や方法、治療について記載していますのでご参考になさってください。
お薬は飲み薬を院内でお渡しします。
他院や検査会社での郵送検査結果をお持ちの場合、診察のみ(再検査不要)で治療可能です。
「過去に治療したけれど、陽性のまま治らない。」という場合もご相談ください。
クラミジア検査費用一覧
「クラミジアの感染が原因で、妊娠しにくくなってしまった」
と後悔しないためにも、当院では、感染症予防のためにも気軽に検査していただけるよう、安い価格で検査を受けて頂けます。
また、治療が必要な場合は院内処方でお薬をお渡ししていますので便利です。
◆ 通常検査
結果は後日、WEBで確認可能です。即日検査より安価で、より精度が高い検査です。
◆ 即日検査
検査後、約30分で結果をお伝えします。即日治療が可能です。
◆ 定期検査
定期的に検査をしたい方に安く検査していただけるお得なメニューです。
◆ セットメニュー
複数の感染症の検査が可能です。 今後妊娠をお考えの方には、レディースブライダルがおすすめです。
ご予約いただくとスムーズですが、予約なしでも受診可能です。
東京都文京区湯島3-39-3-6F
JR山手・京浜東北線:御徒町/上野
東京メトロ銀座線:上野野広小路駅
東京メトロ千代田線:湯島駅
東京メトロ日比谷線:仲御徒町駅
都営大江戸線:上野御徒町駅
「来院するのはちょっと抵抗がある・・・」という方へ
■ 郵送検査(来院不要)
性病検査キットをご自宅等のご指定の場所に郵送します。 ご自身で採取していただき、返送していただければ最短3日~5日でWebにて結果をご確認いただけます。
初診の患者様も来院せずに電話で診察し、必要な方には、お薬や検査キットをご自宅等のご指定の住所にお届けできるシステムです。
※予約制
メールで相談する ➡申込フォームへ
電話で相談する ➡03-5817-4415
「受診しようか迷っている」など、ご不明点やご不安なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。