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自由診療(保険適用外)の性病クリニックが多いのはなぜ?
インターネットで性病科の病院を検索すると、性病クリニックの多くが自由診療(保険適用外)なのに気付かれるかと思います。
通常、病気やケガで病院にかかると、健康保険が適用されて自己負担額が3割となります。(場合によって割合が異なります。)
一方、自由診療の場合は保険が効かないため全額自己負担となり、保険診療の場合と比べて費用が高くなる傾向があります。
それなのに、自由診療の性感染症クリニックが多いのはなぜでしょうか?
1.保険診療のデメリット
実は、保険診療で検査や治療をする場合、いくつかのデメリットがあります。
・ご家族や会社に診療内容が伝わる恐れがある
保険診療では保険証を使用するため、匿名で検査などを受けることはできません。また、年に1回ご自宅に届く「医療費のお知らせ」には保険診療を受けた医療機関が記載されてしまうため、受診したことがご家族などにバレる可能性があります。
・原則として症状が出ていないと検査/治療ができない
保険診療では、原則として症状が出ていないと検査や治療ができません。そのため、「なんとなく違和感があるから/心配だから、検査をしておきたい」「性感染症の定期検査を受けたい」などの場合は、保険診療では対応できません。
・対応できる病気、検査の方法、処置方法、使用できる薬剤などが指定される
保険診療では様々な制約があるため、対応できない病気や処置の方法などがあります。例えば尿道炎の原因となる「マイコプラズマ・ウレアプラズマ」は一般に保険診療の対象外です。また、即日検査(当日中に結果が出る検査)なども一般的に保険対象外です。
・検査結果は医師が直接説明する必要がある
保険診療では検査の結果は医師が直接説明する必要があるため、そのためだけに再度来院しなければなりません。
もちろん、これらのデメリットは各医療機関が悪いわけではなく、保険制度そのものの仕組みによるものです。
2.自由診療のメリット
一方で自由診療の場合は、保険診療のデメリットと逆のことが言えます。
・匿名で受診できたり、家族や会社に知られずに受診できる
保険証を使わないため、匿名での受診が可能です。また、「医療費のお知らせ」にも記載されないため、家族や会社に受診を知られることはありません。
・症状がなくても検査/治療ができる
ただ「心配だから」という理由でも性病の検査/治療を受けることができます。性感染症には潜伏期間(感染しても症状が出ない期間)や、感染していても症状そのものが出ない場合もありますので、症状がなくても定期的な検査をおすすめします。
・保険診療外の検査や治療など、患者様に合った最適な提案ができる
即日検査などの特殊な検査や、保険診療の対象外である病気への検査・治療などをすることができます。また、日本ではまだ認可されていない一方で、海外では一般的な処置方法などもご提案できます(HIVの予防内服など)。
・スピーディーな検査結果確認や治療が可能に
自由診療であれば検査結果はWEB確認などが可能ですので、結果確認のために再来院する必要がなく、治療期間の短縮にもつながります。また、即日検査を受けて、その日のうちに治療をするということも可能になります。
3.自由診療で受診する際の注意点
以上のように自由診療にすることで、患者様にとって多くのメリットがあります。
ただし、自由診療で受診する際の注意点として、医療機関ごとに料金が異なるという点があります。
保険診療の場合、公的医療保険制度の中で全国一律の値段が決められていますので、同じ検査・同じ処置・同じお薬であれば、どの医療機関でも基本的に同じ価格で受けることができます。
一方で自由診療の場合は、各医療機関が独自に料金を設定することができます。
そのため、同じ検査・同じ処置・同じお薬であっても、どの病院・クリニック(診療所)で受けるかによって、大きく料金が違うことがあります。
ですので、自由診療で検査や治療を受ける場合には、事前に複数の医療機関のホームページなどで料金を比較するのがおすすめです。(性病検査の場合、多くのクリニックのホームページに料金が掲載されています。)
”料金が安い医療機関は検査の精度や医療の質が低いのでは??”
と思われる方もいるかもしれませんが、ほとんどの性病クリニックでは、検査は検査専門の会社と提携しておりますので、検査の精度に差はありません。
また、使用するお薬についても、同じお薬が処方された場合は、値段が異なっていても効果は同じです。
4.まとめ
性病の悩みは、誰にも知られずに、できるだけ早く解決したいという方が多いと思います。
そんな患者様のニーズに応えるために、自由診療のクリニックが多く存在しているんですね。
自由診療の医療機関では、患者様に快適に受診していただけるように、価格以外にも、医師やスタッフの専門性、待合室の設備、予約・検査結果システム、プライバシーへの配慮など、様々な点で工夫を凝らしています。
受診する前に、各病院・クリニックのホームページ等で比較検討して、ご自身のニーズに合った医療機関を受診いただければと思います。
皆さんも、もし
”性感染症について心配だけど、誰にも知られずに検査したい”
”陰部が痛くて、できるだけ早く治療したい”
ということがあれば、まずはお気軽にご来院下さい。
当院では、来院前に不安なことや心配事がある場合、LINEチャットで無料で相談いただけます。
※お返事にお時間をいただくことがあります
※治療内容の説明、性病の診断など、専門的なご説明はできません。(来院、又はオンライン診療をご利用ください)
来院する時間のない方には、オンライン診療や郵送検査も可能です。
国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。
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