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セルノスカプセルについて【男性ホルモン/ネビドジェネリックの飲み薬】
日本産科婦人科学会認定専門医、GI(性別不合)学会認定医。
2019年よりトランスジェンダー外来を開始、2023年にはパーソナルヘルスクリニック(東京)と いだてんクリニック(大阪)にてジェンダー外来をスタート。
“あらゆるセクシュアリティに平等な医療を”モットーに診療を行っております。
セルノスカプセルについて
男性ホルモンの飲み薬 ”セルノスカプセル” を処方しています。
セルノスカプセルは、長期作用型男性ホルモン製剤(ネビド)のジェネリック内服薬になります。
ウンデカン酸テストステロンの内服薬は、米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)で承認済です。
商品名:CERNOS Testosterone Undecanoate Soft Gelation Capsules
有効成分:testosterone undecanoate / ウンデカン酸テストステロン 40mg/1錠
製造元:サンファーマ株式会社
用法・用量:食事とともに1日1-3回(40-120mg)摂取してください。
副作用:肝機能障害、高血圧、多血症、頭痛、吐き気、下痢、発疹、むくみなど。
*保管に関する特別な注意事項:30度以下で保存し、冷蔵または冷凍はしないでください。
【こんな方におすすめ】
①災害用として、予備の男性ホルモン製剤として持っておきたい。
②あまり高容量の男性ホルモン投与はしたくない。
少しだけ男性寄りの変化を望んでいる or ゆっくりと男性化することを望んでいる。
*ノンバイナリーやXジェンダーの方で、少量ずつ男性ホルモン製剤を投与したい。少しだけ男性ホルモン製剤を投与したいという方にも良いと思います。
*いきなり注射製剤をガツンと打つのは怖い…という方もいらっしゃると思います。
③注射は痛いから、飲み薬が良い。
④地方在住者であり、定期的に注射を打つことができない。
⑤シスジェンダー男性で、男性更年期治療として内服したい。
⑥筋肉をつけたい。
【薬を飲めない人】
◆禁忌
・コントロール不良の高血圧
・多血症(ヘモグロビン/ヘマトクリット値)が高い場合。
・片頭痛がひどい方
・心疾患・肝臓・腎臓の疾患
・精神疾患(うつ病、不安症、気分障害)
・睡眠時無呼吸症候群(睡眠中の呼吸障害)
・電解質異常:高カルシウム血症(カルシウム値が高い)
・がん:乳がん、肝臓がん
・てんかん
・18歳未満、65歳以上
◆慎重投与
高血圧、片頭痛、てんかん、糖尿病、抗凝固薬内服している方、脂質異常症
◆薬物相互作用
下記の薬を飲んでいる場合、セルノスの効果が弱まる場合があります。
・インスリンまたはその他の糖尿病薬。
・抗凝固薬(ワルファリンなど)と呼ばれる薬。
・リファンピシンなどの抗菌薬
・てんかん発作の薬(バルビツール酸塩、カルバマゼピン、ジクロラルフェナゾン、フェニルブタゾン、フェニトインとプリミドン)。
・ステロイド
最後に。
【男性ホルモンの内服薬は危険じゃないの?という方へ】
以前、セルノスカプセルではない、テストステロンの内服薬がありました。
メチルテストステロンです。
これは、肝毒性(肝機能低下)があることがわかり、海外・日本で生産中止となりました。
(一部の薬局ではまだ、取り扱いがあるようです。)
しかし、セルノスカプセル(testosterone undecanoate)は、メチルテストステロンと作用機序が異なるため、肝機能への影響はなく、肝機能を改善することが報告されています。
さらに脂肪酸合成を抑制し、脂肪肝を予防します。
※日本メンズヘルス医学会の記事を引用しました。
https://mens-health.jp/sliderdetails/BqneSuHv
気になる!という方は一度オンライン診療で相談も可能です。
【引用記事】
note
https://note.com/singh_ike/n/nbb7835f79d1c
【参考文献】