ブログ
恥ずかしがらないで、性病の診察
皆さんは性病科を受診する時、何が心に浮かぶでしょうか。顔を見られると恥ずかしい、家族に知られると困るなど、その不安は様々でしょう。中には「個人的な性生活を聞かれてしまうのではないか。」と考える方も多いと思います。
受診すると必ず医師が行う診察は、“問診”といい、皆さん何科を受診しても、必ず経験があることだと思います。問診とは“診断の参考にするため、病歴や病状を患者に質問すること”ですが、これは性病科でもとても重要な過程です。
当院ではもちろん、患者の性的嗜好を不必要に掘り下げたり、興味本位に性生活を聞き出すことは絶対にありません。診断に必要な質問を最低限行うよう心がけています。
しかし診察の際に、「なんでそんなこと聞くのだろう?」と漠然と思っている方のために、医師の視点で問診の意味を知っていただけたらと思います。
問診はなぜ必要なの?
例えば、「いつセックスをしたのか」といった質問では、感染機会から症状が出た日までの期間をカウントすることで、ある程度、性病の目星をつけることができます。また、「相手の性別は?」という質問では、患者の性別と相手の性別を知ることで、どこの部位(例えば、性器、のど、肛門など)にどのような性病が考えられるかといったことを判断しています。風俗の利用についても、大切な情報になってきます。感染力の弱い性病でも、性交渉の頻度が高ければ、罹患する可能性も高くなるからです。
こういった情報を総合して判断することで、患者様に必要な検査や治療を過不足なく提供することができるようになります。
最近はネットで検査キットを取り寄せ、ご自身で検査をする方も増えています。しかし、私たちは直接会って専門の医師に相談していただくことで、より正確な検査方法を提案し、結果が出た後の対応までフォローアップすることで、患者様に安心・安全を感じてほしいと思っています。
受診した後に、「話して心が軽くなりました。話してよかった。」と言っていただけると、院長はじめ、スタッフ一同心より嬉しく思います。
国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)にて、HIV(エイズ)・性感染症の診療や研究活動に従事。HIVやPrEP、HPVをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供します。
東京都文京区湯島3-39-3-6F
JR山手・京浜東北線:御徒町/上野
東京メトロ銀座線:上野野広小路駅
東京メトロ千代田線:湯島駅
東京メトロ日比谷線:仲御徒町駅
都営大江戸線:上野御徒町駅