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投稿日:2026.03.03 カテゴリー: ナース日記|相談室

ピルは安全?|低用量ピルと血栓の関係をやさしく解説

このページでは、『ピルを始めたいけど、副作用が気になる方』に、ピル内服のメリットと気をつけるポイントについて解説します。

ピルは避妊薬としてだけでなく、婦人科疾患の治療薬としても利用されており、日本だけでなく世界中で承認されています。

コンドームは男性の協力が前提となる避妊方法ですが、経口避妊薬は女性が自分の意思で妊娠をコントロールできる方法として重要な手段と位置付けられています。

一方、安全に使うための条件があるのはご存じでしょうか?

簡単に手に入る時代だからこそ、安全なピルの使い方を知っておきましょう!

ピルの内服に不安を感じている人向けに解説していきます。

そもそもピルって何だろう

ピルは女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)を薬の内服で補うことで、排卵を止めて避妊ができたり、生理周期を安定させて生理痛や月経前症候群を軽くしたりしてくれます。

そのほかにも、旅行や海に行く計画と月経がかぶってしまいそうなとき、生理をずらす「月経移動」として内服することもできます。

ピルは、基本的には3週間ホルモンの入ったお薬を毎日同じ時間に1錠内服して、1週間休薬(または何もホルモンなど入っていないお薬を内服)するというスケジュールです。

1973年に初めてアメリカで発売され、日本では1999年に初めて認可・発売された歴史があります。

低用量ピルと中用量ピルの違いは?
薬に入っている卵胞ホルモン(エストロゲン)の量の違いです。低用量ピルの方が量が少なく、中用量のほうが量が多いので、副作用が出やすくなっています。

知っておくべきピルの副作用『血栓症』

ピルの一番大きな副作用は「血栓症」です。

血栓とはなんらかの原因で血液中に血液の塊ができてしまうことです。

この血栓が低用量ピルでも血栓症のリスクがわずかに上昇すると言われています。

そしてこの血栓は脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性があります。脳梗塞はご存じの方も多いと思いますが、重症化すると麻痺などを起こしてしまいます。また、肺に流れつくと、肺塞栓といって肺に血栓が詰まって、呼吸がしづらくなることもあります。

低用量ピルによる血栓症を起こす確率は以下に示します。

ピルを服用していない女性と比べると若干上昇していますが、妊娠出産に伴うリスクの上昇に比べると低いことがわかります。

グループ1万人あたりの発生率
ピルを服用していない女性1〜5人
低用量ピルを服用している女性3〜9人
妊娠中の女性5〜20人
出産後12週間以内40〜65人
参考文献

また、血栓症のリスクを高める要因として、35歳以上であること、喫煙や高血圧、肥満や片頭痛、手術などがあります。こういった方には、医師の慎重な判断が必要です。

最近は美容外科でのプチ整形なども増えており、小さな手術をすることもあると思います。小さい手術といえでも血栓を作るリスクはあります。必ず手術をする病院にもピルを内服していることは伝えてくださいね!!

【こんな症状が出たら要注意】
ふくらはぎの痛み・腫れ、息切れ、胸の痛み、突然の頭痛、舌のもつれ、視野狭窄など。これらの症状が出た場合は、すぐに服用を中止し、医療機関を受診してください。

ピルを安全に始めるには

当院ではピル処方の方は初回と、1年に1回必ず血液検査をしていただいています。

検査内容は肝機能、脂質、血液凝固機能を見ています。肝機能ではピルは肝臓で代謝されるため肝臓にダメージを与えていないかを見ています。脂質は心血管リスクの評価ができます。血液凝固機能では血液を固まりやすくする因子がないかと「Dダイマー」という数値は血栓ができていないかを知るための指標になります。病院によってピル処方のための検査内容は異なります。

他の病院で処方してもらっている方も自分の検査結果を必ず確認してくださいね。

副作用が気になる人は、『ミニピル』という選択

血栓リスクになる成分であるエストロゲン(卵胞ホルモン)が入っていいないピルが流通しています。一般的にミニピルといいます。ミニピルのデメリットとしては2~3時間でも内服時間がずれてしまうと、ピルの効果がなくなってしまうことでした。(アザリア)

ですが最近は最大24時間内服時間がずれても問題ないとされているミニピルもでてきました。(セラゼッタ、スリンダ)

お値段は通常の低用量ピルなどと比べて少し高くなりますが、血栓リスクがないのでお勧めです。

当院でも処方できるので、詳しく聞いてみたい方や処方希望の方はぜひご来院いただければと思います。

ピルミニピル
エストロゲン
プロゲステロン
プロゲステロン
40歳以上の服用を推奨しない40歳以上の服用が可能
喫煙者の服用は推奨しない喫煙者の服用が可能
BMI30以上の人の服用は推奨しないBMI30以上の人の服用が可能

ここまで、ピル内服のリスクを伝えましたが冒頭にお伝えした通り、しっかり医師の診察のもとで処方を受けていれば現在のピルはどれもとても安全です。

避妊効果があったり、生理痛や月経前症候群を改善したり、生理が規則的にくるなど、むしろメリットのほうがとても大きいです。怖がらずに内服してくださいね。

ただ、定期的な検査と医師の診察は必ず受けることが大切です。

当院では1か月分(1シート)から処方可能ですが、学割やまとめ買い(通常よりも少しお安くなります)もご用意しております。お気軽にご来院ご相談いただければと思います。

ここまで読んでくださってありがとうございました。